ほうこうレポート

ほうようポケモン、こうもりポケモン。

コミュニティを運営したり企画や大会を作るときの基本的考え方の話

はじめに

コミュニティとか大会とか作っていて早2年、僕の中でも大会やコミュニティ作るときの基本になる考え方が生まれています。
一方で僕が所属するポケモンサークルは運営の入れ替わるスピードが非常に激しく、ノウハウの継承が非常に難しいです。
技術の継承も大事だと思うんですが、ノウハウの継承って結局考え方の伝授が一番大きいんじゃないかと思って、たまにはこんな概念的な話の記事でも書いてみようかなと思った次第です。
※当記事には僕クロサナが主催した企画以外への悪意的意図を持った言い回しは一切含まれておりません。予めご理解の上お読みください。

参加者を信用しない話

さて、サーバーを作るときに限らず大会のシステムを組むときに僕がまず常に念頭に置いていることが1つあります。それは、
「参加者を徹底的に信用しない」
ことです。
いきなり不穏な雰囲気ですが、これには訳があります。
というのも、この「信用しない」には主に2種類の方向があります。

  • 参加者がシステムへの知識を十分持っていて、「このシステムには無駄や不足あるんじゃないか」と文句が出る場合。
  • 参加者がシステムへの知識を十分もっておらず、「使い方がわからない」と文句が出る場合。

どちらも「文句」という点では大会/サーバーの質が低い原因として指摘されているものです。
対処としては以下のようなことをやっています。

  • 前者を考えて、なるべく参加者視点にとって面倒だ/無駄だと思う点がないシステムを組むこと。
    • 例えば「ルールはブログを参照してください」と書くだけではなく、そこにブログのリンクをきちんと張っておくなど。
    • ツールの仕様上どうしても面倒な手順を踏まなければいけない場合は、「面倒なんですがよろしくお願いします」みたいな理解のある一言を添えておくだけでもヘイトはだいぶ減ります。
    • 無駄な通知が来たら状況によってはちょっとイラッとしますよね。通知が要らない人に通知が届かないようにするシステムなどは、参加者がストレスなく参加するために個人的にはかなり重要な要素だと思っています。
  • 後者を考えて、そのツールを初めて使う初心者でも絶対に分かるような説明場所を用意しておくこと。
    • 説明を用意するのが面倒であれば公式のユーザーガイドでも適当な分かりやすい説明記事でもなんでもいいです。とにかく、「ここを見ればそのやり方は書いてありますよ」と一言添えておくのが大事です。
    • 参加者は主催者とは違ってとにかく色々忘れます。必ずやっておいてほしいことはリマインドの通知をかけるべきですし、複数回リマインドをかけるべきです。

「参加者を信用しない」というと悪く聞こえますが、逆に「参加者を信用する」というのは運営としては仕事の放棄に当たると僕は考えています。
もちろんマナーなんかはどうしたって参加者を信用するしかないですし、あまりにも制限にコストがかかるものは「禁止はするけど確認はできないので参加者の良心に任せます」というのは致し方ないことだと思います。
でもURLをこちらから貼って、参加者が探す手間を省いたりするといったちょっとした心がけは全然できますよね。そこで「参加者ならすぐ見つけられるだろう」みたいな変な信用はしてはいけない、という戒めの意味で「参加者を信用しない」と僕はよく言っています。
また、「参加者を信用しない」ということはそれだけ「どういう参加者がいるか/参加者がどういう行動を取る可能性があるか/参加者がどんなことに困るか」などの可能性をたくさん考えることになるので、「参加者への思いやり」にも繋がると僕は思っています。
「参加者がどんなことに困るか」なんてのは実際に参加者になってみた経験がないと分からなかったりするので、そういう意味で「参加者側に立ってみる」っていうよく言われることが重要なのも頷けます。
とにかく、いい意味でも悪い意味でも参加者を信用しないことが僕の考え方の基本です。
この考え方に則って、書き込んでほしくないチャットには書き込み制限をかけたり、見やすさも重視したシステム作りを心がけています。

「ストレス」の発生理由

企画をしていて参加者がシステムに対して怒ったりすることって結構あると思います。
そんなときに泣き寝入りしたりしょうがないじゃんと文句を言ったりする前に僕が考えているのが
「怒りは理解できないことに対して向けられる感情」
というものです。
ここまで来ると個人の信条みたいな話も含まれて来るとは思うのですが、一応僕の考え方として紹介させていただきます。

自分がやってほしいことをやってもらえなかったときに怒りが生じるわけですが、これも正当な理由があったら怒りはある程度収まりますよね。
これは相手の状況を理解できて仕方がないなと感じることができたからです。
全てに当てはまるかと言われるとなんとも言えませんが、理由の1つとしては大いにあり得るものだと経験的に感じています。

なので、参加者に怒られてしまったがそれは運営としても考えがあっての行動だった、という場合には、
「きちんとその行動を取った理由を伝えきれなかった」
というところに反省点を見ることがとても多いです。

またこうならないように、事前に最大限理解を得られるような記述を心がけています。
例えば何か新しい仕組みを導入する際に「こんなシステムを用意してみました!」とただ言うのではなくて、「こういう反省からこんなシステムを考えました!」と言う方が理解は得られやすいと思います。
運営のために色々考えて頑張っているのですから、自慢や労いをほしがっている言葉だったりなど不快感を煽る伝え方でなければ、その頑張りはきちんと参加者にも伝えたほうがいいと僕は思っています。
あくまで「運営をスムーズにするために伝える」という目的を見失っては「参加者にとって無駄な情報」になってストレスの元となってしまう点には注意が必要だとも感じます。

ミスなどがあった場合についてもこの考え方を適用することが多いです。
具体的には「ミスはミスだったのだから仕方がない、次から気をつけよう」と運営で結論を出したのであれば、それを参加者にもきちんとアナウンスするべきではないかという考え方です。
ミスはミスだったと運営がきちんと認識していること、参加者と認識が同じであるというアピールをすることで、一時的には文句を言われても最終的なわだかまりはなくなることが多いのではないかと考えています。誠意を持って迅速に対応すれば逆に加点になる場合も少なくないです。
またこういったところで運営も人間がやっているんだよっていうことを認識してもらうと、少し親近感を抱いてもらえてその後のミスもちょっと寛容になるみたいなケースもよくあります。運営と参加者が近しい関係であることを認識してもらわないと、どうしても機械が仕事をしているときのように文句を言いやすくなってしまいますよね。
公式から言及してしまうことで返って炎上のタネになってしまう、みたいな例外ももちろんあるとは思いますが、特に責任の少ない企画であればあるほど素直に言及した方がいいと個人的には感じています。

ちょっと細かい話で言うと、運営内で会議するときにもこの考え方はよく使っています。
参加者に理解してもらうにはまず運営内できちんと理解してもらうことが必要です。


おわりに

大会を開催したりコミュニティを運営するときによく考えていることの話でした。
ポケモンサークルなんていうそう広くもない界隈でデカい顔してるだけの人間の話ですが、もし参考になりましたら幸いです。
また何か思いついたら追記します。



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